川越市は、埼玉県の中央部よりやや南部、武蔵野台地の東北端に位置し、109.13平方キロメートルの面積と35万人を超える人口を有する都市です。

大正11年には埼玉県内で初めて市制を施行し、昭和30年には隣接する9村を合併、令和3年12月1日に市制100年を迎えた歴史ある街です。

また川越市は都心から1時間内というアクセスの良さに併せ、江戸時代に城下町として繁栄したことにより、日本屈指の小江戸と全国的にも名高く、年間600万人の観光客が訪れる関東屈指の観光地です。

「江戸」、「明治」、「大正」と様々な時代の建物が建ち並び、現在も江戸時代から続く蔵造りの町並みや大正のレトロモダンな建物が並ぶ町並み等、まるでタイムスリップしたかのように当時の面影が楽しめる、たくさんの魅力や歴史の詰まった街です。

町並み・郷土・文化

●時の鐘

川越市の中心部、幸町の蔵造りの町並みに建てられている時計台、鐘つき堂で、江戸時代の初期から暮らしに欠かせない〝時〟を告げてきた川越のシンボルです。情緒あふれる蔵造りの町並みにひときわ高くそびえる建物は、川越市指定有形文化財に指定されています。

一番街(蔵造りの町並み)

大きな鬼瓦の屋根に黒しっくいの壁と分厚い観音開きの扉…。まるでタイムスリップしてしまったかの様な感覚になる蔵造りの趣豊かな建物が建ち並ぶ町並み、それが〝一番街〟です。防火構造を備えた蔵造りは1893年(明治26年)の川越大火以降の江戸の後期から明治時代にかけて町並みを構成しました。

菓子屋横丁

色とりどりのガラスが散りばめられた石畳の道に、20軒程度の駄菓子屋などがひしめく川越の有名観光スポットで、今でも軒先には駄菓子屋がずらりと並び、昭和レトロでノスタルジックな風景が残っています。環境省の「かおり風景100選」に選定されている、川越の代表的な観光名所のひとつです。

大正浪漫夢通り

川越城の城下町の特徴として戦に備えて緩やかにカーブした約200メートルの通りの両側には、大正から昭和初期のレトロな店舗が30軒余り並び、御影石の石畳など古き良き大正ロマンの香りが漂う通りです。

川越まつり

精巧な人形を乗せた絢爛豪華な山車が、小江戸川越の象徴である蔵造りの町並みを中心に、町中を曳行されます。山車と山車がすれ違う際に向かい合わせる『曳っかわせ』はまつりの最大の見せ場となっています。

旧埼玉りそな銀行川越支店

旧埼玉りそな銀行川越支店の建物は、ネオルネサンス調の洋風建築3階建てで、八角柱の塔屋と、その銅板ぶきのドーム形屋根がシンボル。時の鐘と並んで蔵造りの町並み〝一番街〟のランドマーク的存在となっています。

神社・仏閣

川越氷川神社

太田道灌以来、川越の総鎮守とされ歴代川越藩主の篤い崇敬を受けた神社。毎年、七夕を含む夏には境内に飾られた2,000個以上の江戸風鈴に願いを書いた短冊を結ぶ祭事「縁むすび風鈴」で賑わいます。

●蓮馨寺

蔵造りの街並み方面へ進むと現れる蓮馨寺は、室町時代に創建された徳川ゆかりの浄土宗寺院で小江戸川越七福神の福禄寿が祀られている霊場です。天文18年(1549/室町時代)川越城主「大道寺駿河守政繁」の母「連馨大姉」が、平方村(現在の上尾市平方)に建立し、その甥である感誉存貞上人を招き創建しました。触ると病気が治る「おびんずる様」や小江戸川越七福神「福祿寿」が祀られています。

川越熊野神社

石畳の通りの脇に、両端に小石が敷き詰められた不思議な参道『足踏み健康ロード』を見ることができる川越熊野神社は、天正18年(1590年)に蓮馨寺の二世然誉文応僧正が紀州熊野より勧請したことが始まりといわれており、開運・縁結び・厄除けの神として親しまれています。

喜多院

喜多院の山号は星野山で、天台宗の寺院。良源を祀り〝川越大師〟の別名で知られています。建物の多くが重要文化財に指定され、毎年、正月三が日の初詣には埼玉県内の寺院では最も多い約40万人の参拝客が訪れます。

●川越八幡宮

約1000年の歴史がある川越八幡宮は、縁結び・足腰健康・合格必勝のご利益があり、カップルから年配の方、そしてスポーツ選手も訪れる人気の神社です。長元元年(1928年)に起きた平忠常の乱で、源頼信がこの地で必勝祈願をして敵陣に斬り込んだところ乱が収まったことから、そのことに感謝してこの地に川越八幡宮が創建したと言われています。

●仙波東照宮

東照宮といえば徳川家康を祀った日光東照宮が有名ですが、仙波東照宮は日光・久能山と並ぶ日本三大東照宮の一つで、喜多院の南側に隣接しています。元和2年(1616)駿府で徳川家康公が没し、その遺骸を静岡から日光山へ移葬する途中、天海僧正によって喜多院で四日間の法要が営まれたことから、寛永10年(1633)建立されました。

自然・風景・公園

新河岸川桜まつり

桜並木の美しい新河岸川を、春の一日限りで花見舟が運行され、川舟に乗って川面に映える桜を眺めながら川下りも出来る隠れた川越の絶景ポイントです。

伊佐沼公園

伊佐沼は川越市の東部に位置する埼玉県内最大の広さを持つ自然沼で、春は桜、夏は古代蓮やひまわり、秋にはコスモスなど、季節によってさまざまな風景を楽しむことができます。

●川越水上公園

春は桜、夏は県内最大のチューブスライダーや流水プールなどバリエーションに富んだプール、秋は紅葉、冬はプールフィッシングなど、1年を通じて楽しめる県営公園で、その他ボートやテニス、ルアーフライ釣場やフットサルコートなど、総合的なレクリエーション施設となっています。

小江戸「川越」の紅葉

秋の小江戸「川越」は、赤く色づいた綺麗な紅葉に風情ある建物がマッチした趣のある風景が広がります。喜多院をはじめ無量寿寺中院や仙波東照宮等、蔵造りのレトロな町並みや風情ある寺社に映える色鮮やかな紅葉が楽しめます。

夜の蔵造りの街町みと時の鐘

昼の顔とは別世界、〝宵の川越〟。ライトアップされ、ぼんやりと浮かび上がる蔵造りの町並みはまさにフォトジェニック。昼間とは一変した光景が楽しめます。

史跡・遺跡・城跡

本丸御殿

嘉永元年(1848年)、時の藩主松平斉典が造営したもので、武家風の落ち着いたつくりが印象的な江戸時代17万石を誇った川越城唯一の遺構です。明治以降、建物の移築、解体が行われ、現在では本丸御殿の玄関部分と大広間、家老詰所を残すのみとなっています。

●川越城中ノ門堀跡

川越城中ノ門堀跡は川越市にある名所旧跡です。西側に城下町の広がる川越城が西側から攻めこまれたことを想定して、寛永16年(1639)に藩主となった松平信綱が川越城を大改修、その際に築造された堀と門の跡です。明治以降、川越城の多くの施設・建物が取り壊され、中ノ門堀跡は旧城内に残る唯一の堀跡となりました。

●河越館跡史跡公園

「河越館跡」は、平安時代末から南北朝時代にかけて武蔵国で有数の勢力を誇った武士である河越氏の居館跡です。昭和59年12月6日に国指定史跡となり、現在、この河越館跡は保存・学習の場を目的に「河越館跡史跡公園」として開放されています。

美術館・博物館・資料館

●川越まつり会館

約370年の伝統を誇る川越まつりを、年間を通していつでも体験できる施設で、館内には本物の山車が2台展示されています。展示ホールでは、定期的にお囃子の実演が行われたり、祭礼の変遷や背景、祭の情景、木遣りや囃子なども紹介する民俗博物館です。

川越市立博物館

川越市市制施行80周年の事業として、2002年(平成14年)12月1日(川越市民の日9に開館した市立美術館で、川越城二の丸跡にある川越市立博物館の隣接地にあり、建物の外観は川越市を象徴する蔵造りの商家のイメージを取り入た設計となっています。漆喰の白壁や和瓦により伝統的な周辺環境に配慮し、現代的素材も組み合わせた独自性を表現した美術館となっています。

●川越市立美術館

川越藩の城下町として発展してきた川越に関する資料の収集・保存・調査研究・公開を目的として建設され、1990年(平成2年)3月1日に開館した市立博物館で、川越市の考古・歴史・民族等を中心に扱う人物系総合博物館です。城下町全体が見られるジオラマ模型や細部まで復元した蔵造りの町並み模型、また蔵造りの建築工程を再現した実物大模型は迫力満点です。